SOSネットワークとは
THE PROJECT
平成10年4月、茅ヶ崎市、寒川町の広域(人口約28万)で、徘徊する認知症高齢者を早期に発見保護するため、「徘徊老人のためのSOSネットワーク」がスタートした。3年前の平成7年に、同地域で徘徊高齢者が死亡して発見されたことが、ネットワーク立ち上げのきっかけとなった。その後、保健所(現保健福祉事務所)主催の保健福祉サービス調整椎進会議・老人部会でプロジェクトチームをつくり、検討が重ねられ、警察、関係機関、地域住民の協働で構築された。
茅ヶ崎市のネットワークは、対応をスピーディーにするため、「事前登録制度」を取り入れている。
事前登録制度は、ネットワークを使う可能性のある家族が、本人の情報をあらかじめ登録しておく制度である。家族が市役所に申請した情報は、警察署、特養ホーム、市役所の3ヵ所で保管されている。
捜索依頼があったときにスピーディーに対応できるため、介護者家族の安心感につながっているという。
またネットワークの要と一時保護を、市より委託を受けた特別養護老人ホーム(ふれあいの森)が担っている。
特別養護老人ホームが空きベッドを提供していることで、保護後に家族の迎えまで時間がかかる湯合や、身元が判明しない場合は施設への一時入所が可能になっている。さらに、家族からの要請があった場合は、警察署を通じて防災無線を使っての捜索も平行しておこなわれる。
徘徊に関するデータ
予防体制の構築
ネットワークの協力体制
ネットワーク
茅ヶ崎市、寒川町の徘徊高齢者のためのSOSネットワークは、茅ヶ崎警察署、社会福祉法人麗寿会、ふれあいの森、交通機関、市役所、地域包括支援センター、社会福祉協議会、ボランティア組織などで構成する連絡網である。
家族から依頼があった場合、警察署は特別養護老人ホームふれあいの森、タクシー会社、JR駅、茅ヶ崎保健福祉事務所へFAXで捜索協力依頼をおこなう。捜索依頼を受けた特養ふれあいの森は、 SOSネットワーク連絡網に従って、電話とFAXで関係機関に捜索協力を依頼する。
連絡網は、連絡を受けた関連機関が、さらにその関連機関に連絡していくという、伝言形式の連絡方式をとっている。
連絡を受けた協力者は、1時間を限度として周囲を探す。それ以降は警察に一任することになっている。
高齢者が発見されたら、警察署から捜索解除が各機関に連給される。捜索時と同様にSOSネット
ワーク連絡網を使って捜索解除がおこなわれる。また、受診が必要と判断される人については、市内
医療機関との連携でフォロ一体制の仕組みがとれている。